JR東日本にも残存 寒冷地・勾配線区向けの115系
113系とともに、国鉄が直流近郊型電車として製造した115系。主に暖地・平坦線に投入された113系に対し、こちらの115系は、主に寒冷地・勾配線区に投入されました。
1963年に東北本線・高崎線でデビューし、国鉄時代には中央本線や信越本線、上越線などにも投入された115系。分割民営化時にはJR東日本、JR東海、JR西日本が保有しましたが、新型車両の導入によって置き換えが進み、現在はJR東日本の新潟車両センター、JR西日本の福知山電車区、岡山電車区、下関総合車両所運用検修センターに配置されています。
JR東日本では、新型車両の導入によって2000年代に置き換えが進み、関東からは2018年に撤退しました。新潟エリアでもE129系による置き換えが進みましたが、現在E129系の投入はストップしており、115系は3両編成7本が残存している状況です。
新潟エリアでは、地域独自の塗装が導入されており、これまでに4種類の「新潟色」、弥彦線用として2種類の「弥彦色」が設定されました。現在新潟車両センターに所属する115系は、消滅していた一部の塗装を復刻色として採用。各編成がそれぞれの「新潟色」「弥彦色」、そしてデビュー時の「湘南色」をまとっており、1編成1塗装という状態で運用されています。
JR西日本の115系は、2両編成2本が113系に混じって福知山地区で運用に入るほかは、山陽本線の岡山・山口エリアで使用されています。
山陽本線では、かつては広島エリアでも115系が使用されていました。特に国鉄時代の1982年には、列車増発とサービスアップを兼ねて、広島エリア専用車両となる2扉の115系3000番台が投入されるなど、115系が主力車両として活躍した線区でした。しかしがら、2015年にデビューした227系によって置き換えが進み、下関総合車両所広島支所所属車両の運用は2019年3月に消滅。同時に、岡山電車区と下関総合車両所運用検修センター所属車両による乗り入れも廃止され、三原~岩国間は227系による運用に統一されました。
227系による置き換えが完了した広島エリアに対し、未だ115系の活躍が続く岡山・山口エリア。山口エリアでは、2扉の3000番台や、117系中間車を改造した3500番台、そして両エリアともに非貫通型の先頭改造車両が在籍するなど、いまだバリエーションに富んだ車両グループとなっています。