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車体更新で誕生 生まれ変わった鉄道車両たち

2020年5月9日(土) 鉄道コムスタッフ

60歳から40歳に若返った路面電車

東京都交通局が運行する荒川線(東京さくらトラム)。同線の最新形式は2016年に登場した7700形ですが、この形式は、1954年から製造が始まった7000形を大規模改修して製作された車両です。

荒川線用車両の最新形式である7700形
荒川線用車両の最新形式である7700形

7700形の種車となった7000形は、1954年から1956年にかけて93両が製造されました。都電のさまざまな車庫に配置されて活躍していましたが、都電の廃止によって運用線区も順次縮小されていき、最終的には31両が荒川車庫に残存しました。

都電27系統・32系統改め荒川線の主力車両となった7000形ですが、1978年のワンマン運転開始を前に、これに対応すべく全31両の更新工事が実施されました。旧来の路面電車スタイルであった車体を捨て、新たに直線基調のスタイリッシュな車体を装備し、都電のイメージを一新。このデザインは、他の路面電車へも影響を与えたと言われています。

車体更新後の7000形。冷房化や行先表示機の更新などが実施された最末期の姿です
車体更新後の7000形。冷房化や行先表示機の更新などが実施された最末期の姿です

新生荒川線の発足時から活躍してきた7000形も、機器類の老朽化には勝てず、新型車両の8900形に置き換えられる形で、2015年から本格的な廃車が始まります。東京都交通局は、当初は7000形の全車を8900形によって置き換える予定としていましたが、コスト削減のためにこの方針を転換。7000形8両の床下機器を8900形と同等品に交換し、車体も更新した7700形を製作することとしました。

7700形の車体は7000形時代の面影を残していますが、デザインはクラシックモダン調に一新。「えんじ」「あお」「みどり」の3パターンの塗装があります。車内はバリアフリーに配慮したものとなり、乗降扉も従来より拡幅されています。

現在の車体が製造されてから40年以上が経過する7700形ですが、荒川線を走る5形式の1つとして、まだまだ活躍が続きます。

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