JRや大手私鉄の一般列車では、性能や車両設備などの仕様をそろえるために、形式を統一することが一般的です。しかしながら、車両の転属や投入計画の変更といったさまざまな理由で、他と異なる形式・仕様の車両が1編成のみ残されてしまうこともあります。
大量に製造された形式ながら、ある路線では1編成のみの珍しい存在となっている、そんな車両たちをご紹介します。
1編成のみが置き換え対象外に
京葉線で活躍する209系500番台のケヨ34編成は、京葉線用として活躍する唯一の209系となっています。
209系500番台は、それまで京葉線で活躍していた201系を置き換えるため、2008年に4編成が京浜東北線より転属してきました。しかしながら、同線の201系や205系を置き換えるE233系5000番台の投入が2010年より始まり、209系もこの置き換え対象に。ケヨ31~33編成の3編成は、2010年12月のダイヤ改正で列車が増発された武蔵野線へと転用されました。
一方、ケヨ34編成のみは武蔵野線へ転用されることはありませんでした。JR東日本は当初、京葉線にE233系を25本250両投入すると発表していましたが、実際の投入数は1本少ない24本240両に留まったのです。結局、209系はこの1編成のみが置き換えられず、そのまま活躍を続けることとなりました。
ケヨ34編成は、2016年に制御装置などの機器を更新しており、以降の定期検査も通常通り施行されています。京葉線に1本のみ残る珍編成の活躍は、まだまだ続くようです。