路線や駅の動きは
北海道では、日高本線の鵡川~様似間(116キロ)が廃止され、バス輸送へ転換されました。この区間は、強風・高波による被害を受けて、2015年1月以来運休が続いていました。運休前も赤字路線だったことから、JR北海道と沿線自治体が方針を協議した結果、4月1日に廃止されることとなりました。
東北エリアでは、秋田臨海鉄道が3月をもって解散。秋田港と周辺企業の間で貨物を輸送するために誕生した第3セクターの鉄道でしたが、会社の解散ともに路線の役目も終えました。福島県では、奥羽本線の板谷~庭坂間にあった赤岩駅が、3月12日に廃止されました。周辺道路からのアクセスが困難で、さらに冬季は休業するほどの秘境駅でした。2017年以降は全列車通過とされていましたが、今回正式に廃止された形です。
新線開業は無かった一方で、新駅は各地で誕生しました。JR東日本の「泉外旭川」駅(奥羽本線の秋田~土崎間)、えちごトキめき鉄道の「えちご押上ひすい海岸」駅(日本海ひすいラインの糸魚川~梶屋敷間)、土佐くろしお鉄道の「あき総合病院前」駅(ごめん・なはり線の安芸~球場前間)、ひたちなか海浜鉄道の「美乃浜学園」駅、富山地方鉄道の「オークスカナルパークホテル富山前」停留場、「龍谷富山高校前(永楽町)」停留場が、2021年に開業しました。
一方、3月のダイヤ改正にあわせて、JR北海道では18駅が廃止に。宗谷本線の17駅などでは、自治体による維持管理に移行しています。
駅にまつわる話題では、日本最長駅名の更新も。1月1日、富山地方鉄道は、富山トヨペット本社前(五福末広町)停留場を「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」停留場に改称。これにより、京福電気鉄道の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅(17文字・読み26文字)を超える26文字(スペース込み)・読み32文字と、ダントツで日本最長の駅名となりました。同停留場は、2020年3月の京福電鉄の駅名解消前は文字数が日本一タイとなっていたため、8か月振りの日本最長駅名の奪還となっています。
新路線としては、狭義の「鉄道」の開業はありませんでしたが、鉄道の仲間であるロープウェイでは、横浜みなとみらいエリアで「YOKOHAMA AIR CABIN」が開業。4月22日に営業を開始しました。