各地で変わる鉄道の料金
2022年には、近年の利用状況の変化などを理由とした料金改定も予定されています。
JR東日本の各新幹線と一部特急列車、北海道新幹線、北陸新幹線では、指定席特急料金に新たに「最繁忙期」が導入されます。これまでは「閑散期」「通常期」「繁忙期」の3つのシーズン別料金が設定されていましたが、2022年4月以降は、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の各期間中は「最繁忙期」の対象となり、料金は通常期より400円増しとなります。
また、JR東日本の各新幹線と一部特急列車、北陸新幹線では、グリーン料金の価格改定も実施予定。これまでのJR東日本と北海道新幹線のグリーン料金は、利用促進を目的として価格が他社よりも引き下げられていましたが、利用状況と経営環境の変化を受け、他のJR各社と同水準へと戻ることとなりました。
山形・秋田新幹線では、特急料金の改定も予定されています。これまで新幹線直通乗車時と在来線区間のみの乗車時で適用料金が異なっていた両新幹線ですが、2022年春以降、在来線区間では同じ料金が適用されることとなります。
JR九州では、4月1日乗車分より、在来線の特急料金を変更。従来は自由席25キロ以内が310円、26キロ以上50キロ以内が630円などとなっていたところを、25キロ以内500円、26キロ以上50キロ以内が750円などとします。また、指定席利用時の自由席からの加算額についても、従来の530円から730円に変更。特急「あそぼーい!」の展望席などについては、従来の740円から940円へと値上げとなります。
また、門司港・小倉・行橋~博多間の相互間では、新たに車内発売料金を導入。車内で特急券を購入した場合、事前購入時よりも200円割高な料金となります。
一方、私鉄では料金値下げの動きもあります。
2022年春には、小田急電鉄が子どもIC運賃を全区間で一律50円に変更。子育て世代の応援施策として実施するもので、子ども運賃を持続的に大人運賃の半額以下へ低廉化する施策は、国内の鉄道事業者では初の事例だといいます。
私鉄では、北総鉄道北総線と京成成田空港線(成田スカイアクセス線)の運賃値下げが、10月1日に予定されています。
運賃が高額なことで知られ、かつては「財布は落としても定期は落とすな」とも言われていた北総線ですが、今回は子育て世代への配慮や若い世代の入居促進を目指し、通学定期券を中心に運賃を改定。普通運賃も中距離帯を中心に値下げし、利用の促進を図ります。