宇都宮では「約75年ぶり」の路面電車、福岡では「令和初」の地下鉄が開業
8月には、宇都宮芳賀ライトレール線、通称「ライトライン」が開業しました。宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間の全長約14.6キロの路線で、多くの区間で「併用軌道」区間を走る路面電車です。
路面電車の新規開業路線としては、2020年3月に開業した、富山駅の南北を結ぶ富山地方鉄道の路線以来のもの。新駅設置を含む開業としては、2015年の札幌市電都心線(西4丁目~すすきの間)以来となります。しかしライトラインの場合、これまで路面電車が走っていなかった場所での新設という点で、富山や札幌などとは異なります。国内において、既存の路面電車路線がなかった場所で新線が開業するのは、1948年の富山地方鉄道伏木線(現在の万葉線の一部)以来、約75年ぶりのことでした。
ちなみに、ライトラインという愛称は、発表当初はHU300形の車両愛称となっていました。しかし、開業前から路線全体を指す愛称として外部で使われることがあり、路線名称や社名、事業(路線整備・運行)で名称が異なることも合わさって、若干の混乱を見せていました。10月の宇都宮市議会の答弁や、その後の宇都宮市長の会見で、車両や路線などをすべて含む愛称として使用すると発表されており、現在は「宇都宮駅と芳賀町を結ぶ『ライトライン』」といった使用方法でも間違いではなくなっています。
時期はさかのぼりますが、3月には福岡市営地下鉄七隈線の天神南~博多間が開業しました。これまで福岡有数の繁華街である天神を始発駅としていた同線ですが、博多駅や福岡空港へ直結する地下鉄空港線の天神駅とは少し離れており、乗り換えが不便な状況でした。今回の延伸で、七隈線沿線から博多駅へのアクセス性が改善されています。
ちなみに、日本で地下鉄の新区間が開業したのは、2015年の仙台市営地下鉄東西線以来のこと。また、令和への改元後としては、初の地下鉄の新駅開業となります。