約20年親しまれたチャイムも、車内ワゴン販売も終了……変わる東海道新幹線のサービス
2023年は、東海道新幹線(および山陽新幹線)関連のニュースが多く発表された年でもありました。
7月21日、それまで使われてきた車内チャイムが変更され、「会いにいこう」という曲をアレンジしたものとなりました。この曲は、同社が展開する「会いにいこう」キャンペーンのために書き下ろされたもの。賀来賢人さんが出演するCMで使用されています。
7月20日まで使われていたチャイムは、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」でした。こちらも「会いにいこう」同様にキャンペーンソングとして使われた曲で、2003年の品川駅開業にあわせて使用を開始。約20年の間、東海道新幹線のチャイムとして親しまれてきました。
9月30日には、「エクスプレス予約」「スマートEX」の発売額が改定されました。通常のきっぷよりも割安な価格で発売されてきた両サービスのチケットですが、同日以降は割引こそ残ったものの、割引額が縮小。さらに、これまでは適用されていなかった、繁忙期や閑散期などのシーズン別料金も、同日以降は適用対象となっています。一方、翌10月1日には、新幹線の予約を1年前から受け付けるサービスが開始。乗車1か月前まで座席位置や正確なダイヤは確定しませんが、早くから予約したいというニーズに応えたサービスとなっています。
10月20日には、ビジネス向け車両「S Work車両」のサービスが拡大。「S Work車両」は2021年に提供が始まったサービスで、車内で気兼ねなくウェブ会議などができる車両というものです。当初は通常の3+2列配置の普通車を、対象車両として提供していました。提供開始から2年が経過した2023年、サービス拡充策として、新たな座席「S WorkPシート」を導入。一部の中央席(B席)にパーティションを設置することで、窓側席・通路側席(A・C席)の1人あたりのパーソナルスペースを拡大しました。さらに、これまでは「のぞみ」のみが対象となっていたところ、これを「ひかり」「こだま」にも拡大しています。
11月1日には、グリーン車での「モバイルオーダーサービス」が始まりました。スマートフォン経由で車内販売商品をオーダーでき、客室乗務員が注文した商品を座席まで運んでくるというサービスです。グリーン車では従来のワゴン販売サービスよりも利便性が向上した一方、普通車でのワゴン販売は10月31日をもって終了。「のぞみ」停車駅のホームなどに設置された自販機が、従来のニーズを引き継ぐようになりました。自販機では、カップのコーヒーや、「シンカンセンスゴイカタイアイス」として親しまれたスジャータのプレミアムアイスクリームなどを販売しています。しかしながら、スジャータのアイスについては、車内販売時ほどのカチカチな硬さはなく、東海道新幹線の利用者が気軽にあの硬さを体感できる機会が減少したことを残念がる声も、SNS上などで見受けられます。
そして、12月28日から2024年1月4日までの年末年始には、3大ピーク期における「のぞみ」全車指定席化が始まります。通常、「のぞみ」は16両中3両が自由席ですが、繁忙期にはこの少ない自由席車両に乗るため、多くの旅客が集中していました。JR東海とJR西日本では、3大ピーク期に限り全車指定席とすることで、1列車あたりの指定席提供数を約1.3倍に拡大。これまで以上に指定席の予約を取りやすくしました。