昭和の京成スタイルの決定版 京成3600形
3600形は、1982年から投入されたオールステンレス車で、京成の通勤型車両として初めて界磁チョッパ制御が採用されました。両先頭車をモーターなし、中間車をモーターつきという構成としたため、京急線への直通運用には入りません。2002年には1本が芝山鉄道にリースされましたが、2013年に3540編成と入れ替わる形で京成に返却されています。
6両編成9本が製造されましたが、1997年以降、一部編成の中間車を他編成に組み込んで8両編成化されました。このとき余剰となった6両の先頭車両は、2両編成を3本連結した形に見える6両編成となりました。ただし、これではモーターがなく自走できないので、両端2両ずつにモーターを搭載するとともに、3700形と同様のVVVFインバータ制御装置が取りつけられています。
ほかの3600形よりも加速性能がよくなったこの編成は、「ターボ君」という愛称で呼ばれています。2017年には中間の2両が廃車され、4両編成に短縮されました。2023年にはワンマン対応化改造が行われています。
なお、この「ターボ君」は先頭の台車にモーターがあるため、3600形で唯一京急線へ直通できます。現在、営業運転では同線に入りませんが、沿線の車両メーカーから新型車両が出場する際、そのけん引を目的に乗り入れることがあります。
京成本線の優等列車や都営浅草線の直通列車などに使用された3600形ですが、2017年から廃車が急速に進行。2020年6月には、最後まで8両編成で残っていた3688編成が運用を離脱しました。同編成はその後、6両編成へ短縮するとともに、帯色をデビュー当時のファイヤーオレンジに変更。「リバイバルカラー編成」として運用に復帰しました。同編成は現在、団体列車などのイベント運用に多用される一方、一般の列車で走る姿も見られます。3600形は現在、このリバイバル編成と、前述した「ターボ君」の2本が残っています。