遅れてやってきた半蔵門線用車両 東京メトロ8000系
営団地下鉄(当時)半蔵門線用の車両として初めて開発された車両が、8000系です。
半蔵門線は1978年の開業当初、直通する東急の車両のみで運用していましたが、輸送力増強などを目的に、1980年にようやく自社車両として8000系が導入されています。また、現在は半蔵門線と直通先でのみ運用されていますが、1987年以降の一時期、新型車両投入までのつなぎというかたちで、一部の編成が東西線を走ったこともありました。
車体は有楽町線用の7000系をベースとしたアルミ車体ですが、前照灯の形などに違いが見られます。初期の車両は非冷房で落成しましたが、1988年に投入された車両から冷房装置を搭載。その後、非冷房車も追って冷房化されました。
最終的に10両編成19本の陣容となりましたが、最後に増備された中間車(1994年製造)は、後輩の東西線05系や南北線9000系と同じ車体スタイルを採用しています。従来車とは車体裾部の長さ、側面窓の大きさなどが異なるため、その判別は容易です。
2004年から2015年にかけて更新工事が進み、制御装置のVVVFインバータ化、内装の一新、側面扉の交換などが行われました。
2003年には半蔵門線用の新形式08系がデビューしましたが、こちらは押上駅延伸と東武線への直通運転開始に備えて投入されたもの。その増備は6編成にとどまり、8000系が主力の座を降りることはありませんでした。
しかし、東京メトロは2021年、8000系の置き換えを目的とする新型車両18000系の投入を開始。これにより、8000系は急速に置き換えが進んでいます。18000系は2025年度までに導入完了の予定で、これにより8000系は姿を消すものと思われます。