鉄道コム

走り続けて不惑の年へ 40歳を迎えた関東大手私鉄のベテラン通勤電車たち

2023年8月11日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

令和に走る白い通勤車 小田急8000形

8000形は、1982年より製造された通勤型車両です。一世代前に投入された9000形が地下鉄直通仕様であるのに対し、こちらは小田急線、箱根登山鉄道線での運用に向けた車両として開発されました。

車体は普通鋼製で、カラーリングは白地に青帯と、既存車両と同様のものとなっています。このカラーリングは8000形が最後となっており、次世代の1000形以降、通勤車ではステンレス製の車体が採用されています。

界磁チョッパ制御のまま更新された8251編成
界磁チョッパ制御のまま更新された8251編成

最初は6両編成のみが製造されていましたが、のちに4両編成も落成し、1987年までに両者とも16本ずつ、合計160両の陣容となりました。内装はグリーンを基調としたデザインでしたが、1987年製造の編成は暖色系のものに変更され、これが1000形などにも引き継がれています。

2003年から更新工事が始まり、行先表示器のLED化などとともに、初期の車両は内装が暖色系に改められました。翌2004年からはVVVFインバータ制御方式への変更、運転台のワンハンドル化などが更新メニューに追加され、走り装置が3000形に準じたものになっています。ただし、最初に更新された8251編成と8255編成は当初の界磁チョッパ制御のままで、VVVFインバータ制御化の追加更新を行うことはありませんでした。更新は2014年までに完了しています。

VVVFインバータ制御に変更された8000形
VVVFインバータ制御に変更された8000形

界磁チョッパ制御の2本は2020年度までに引退したほか、VVVFインバータ制御車では8264編成が、踏切事故の影響で2020年に廃車されています。また、2022年以降、一部の4両編成で廃車が出ています。なお、4両編成2本(8065編成、8066編成)は、2021年に検測車両「クヤ31」と連結できるよう改造され、けん引車としての役目も担っています。

江ノ島線90周年ラッピングが施された8255編成
江ノ島線90周年ラッピングが施された8255編成

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道リポート

関連鉄道コらム

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。