東武線内専用のステンレス車の原点 東武10000型
東武10000型は、8000系に続く汎用通勤型車両として、1983年から製造されました。地下鉄線への直通に使用する9000型とは異なり、こちらは東武線内のみで運用されています。車体はステンレス製で、界磁チョッパ制御が採用された点は9000型と同じですが、中央に配置した貫通扉や、左右に振り分けた種別・行先表示などは10000型独自のスタイルです。
1988年には10030型、10080型など、「10000シリーズ」の派生形式が誕生。以降はそちらの増備が主体となり、10000型としての増備は118両にとどまりました。
2008年から伊勢崎線系統の車両でリニューアルが始まり、前照灯の変更や行先表示のLED化のほか、内装の一新などの改装を受けています。2両編成の車両はワンマン運転にも対応し、佐野線、小泉線、桐生線などにも運用の範囲を広げました。
一方、東上線の車両はリニューアルを受けておらず、現在もほぼ原形の姿で運用を続けています。現在も残る10両編成のほか、かつては8両編成や2両編成なども存在しましたが、2011年以降、伊勢崎線系統から転用された30000系と入れ替わる形で、伊勢崎線系統へ順次転属。最終的に、10両編成4本のみとなりました。このグループでも、2022年12月、扉の故障により運用を外れていた11004編成が廃車となっています。