西九州新幹線の開業をはじめ、車両の世代交代、災害による運休に復活……。この2022年も、鉄道に関する話題が数多くありました。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、まもなく3年。行動制限に応じた臨時列車の削減やイベントの中止が減少し、これまでの社会に戻るような動きも見られるようになってきました。かつての日常に近づきつつある2022年、鉄道業界はどのような出来事があったのか、1年間の動きを振り返ってみましょう。
走り続けてたどりついた節目 鉄道開業150年
2022年、日本の鉄道は開業から150年の節目を迎えました。日本初の鉄道は、1872年6月12日(旧暦5月7日)に品川~横浜間で仮開業ののち、同年10月14日(旧暦9月12日)に新橋~横浜間で本開業。日本における鉄道の歴史は、ここから動き出したのです。
この鉄道開業150年を記念して、JR、私鉄を問わず、全国の鉄道事業者で記念のイベントが多数開催されました。
JR旅客6社は3月、「鉄道開業150年キャンペーン」の開催を告知。キャンペーンのロゴマークや、JR全駅の入場券セットの発売などを発表しました。以降、150周年の節目となる10月14日に向け、各社が盛り上がっていきます。
特に、日本初の鉄道開業区間を現在でも運営するJR東日本では、1500万円の「純金製1号機関車」の販売、同社線全線で新幹線や特急列車が3日間乗り放題となるフリーきっぷを発売するなど、例年にはないような企画を次々と打ち出していました。
もちろん、鉄道開業150年の催しは、JR東日本だけに留まるものではありません。発表された催しの数こそJRには及びませんが、全272駅の入場券セットを発売した名古屋鉄道、京成電鉄、北総鉄道、新京成電鉄、関東鉄道の4社共通1日乗車券を発売した京成グループなど、この年ならではの企画を実施する事業者も現れました。
1872年の開業以来、幾度もの天災や戦争を乗り越え、成長を続けてきた日本の鉄道。少子高齢化や道路交通網の整備などで利用者は減少し、一方で激化する災害によって被害を受けることが増えるなど、鉄道の行く末は安泰であるとはいえません。しかし、比較的高速に大量輸送が可能な輸送機関という鉄道の特性は、他の手段では代えがたいもの。次の200周年の節目に向けて、日本の鉄道は止まることなく進み続けていきます。