「ハピラインふくい」誕生 新幹線開業で北陸本線は45.9キロの「ミニ路線」に
国が整備計画を定める「整備新幹線」では、開業時には「並行在来線」を経営分離することが通例です。北陸新幹線の延伸開業もその例に漏れず、北陸本線金沢~敦賀間は第三セクター事業者に経営を移管。石川県内の金沢~大聖寺間はIRいしかわ鉄道、福井県内が中心の大聖寺~敦賀間はハピラインふくいが今後の運行を担います。
ハピラインふくいは、今回の経営分離にともなって営業を開始する事業者。2015年の新幹線延伸時に誕生したえちごトキめき鉄道(日本海ひすいラインのみ)、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道同様に、北陸本線を引き継ぐために誕生した会社です。車両はJR西日本から譲受する521系ですが、車両デザインは同社ロゴと同じピンクやグリーンのものに変更する予定。駅名標も同デザインに順次変更されます。
一方、新幹線の並行区間を経営移管する北陸本線は、敦賀~米原間45.9キロのミニ路線に。JR発足時は直江津~米原間353.8キロの長さをほこった路線も、新幹線延伸後は往時の7分の1以下の長さとなってしまいます。
これまでは大阪・名古屋方面と北陸を結ぶ特急列車が多数走る「特急街道」だった北陸本線ですが、新幹線延伸区間では在来線特急は廃止されます。改正後も北陸本線全線で「しらさぎ」が走るほか、敦賀~近江塩津間では湖西線からの「サンダーバード」も乗り入れるため、同線の特急列車自体は残るのですが、北陸地方の平野部を特急列車が行き交う姿は、新幹線延伸で見納めとなります。
もちろん、敦賀・福井~金沢間で運転されてきた「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」も、今改正で廃止となります。ただし、金沢駅から七尾線に乗り入れる特急「能登かがり火」は、改正以降も残存。運転区間を短縮する「サンダーバード」のうち、和倉温泉発着だった列車を吸収し、計5往復の運転となります。