房総方面の特急に変化 「しおさい」にはE259系投入
房総方面では、東京~銚子間で「しおさい」、東京~勝浦・安房鴨川間で「わかしお」、東京~君津間で「さざなみ」が運転されています。これまでE257系500番台と255系が使われてきた各列車ですが、2024年3月のダイヤ改正では、「しおさい」へE259系を投入。255系は各列車から撤退するほか、E257系10両編成の運転もなくなります。
E259系は、2010年にデビューした車両。これまで定期列車ではもっぱら「成田エクスプレス」で使われてきましたが、今回の改正で、初めて他の定期列車で使用されることになります。同形式は、2023年から塗装を順次変更していました。今回の「しおさい」投入を見据えたものだったようです。
「成田エクスプレス」は、本改正で千葉駅と佐倉駅に停車する列車が増加。改正前の時点で日中は毎時1本が千葉駅に停車していた「成田エクスプレス」ですが、朝夕ラッシュ時の停車列車が増加します。
加えて、他の首都圏在来線特急より割高な料金(A特急料金)が適用されてきた「成田エクスプレス」ですが、改正後は、空港第2ビル・成田空港の両駅発着でない利用時において、房総方面の特急列車と同じ料金が適用されます。なお、「成田エクスプレス」はこれまで中央線でも運転されてきましたが、E259系を「しおさい」に投入する分の車両を確保するためか、本改正で中央線乗り入れは廃止となります。
このほか、「しおさい」「わかしお」「さざなみ」(臨時列車の「新宿わかしお」「新宿さざなみ」を含む)は、本改正にあわせて全車指定席に変更されます。首都圏のJR東日本在来線では、この3列車が自由席つきで運転していた最後の特急でした。
本改正で定期列車から撤退する255系は、今後は臨時列車中心の運転となります。改正以降も全く運用がなくなるわけではなく、臨時列車「新宿さざなみ」は、E257系500番台または255系での運転と発表されています。
ここまでが公式に発表された改正内容でしたが、2月に公開されたダイヤ改正後の時刻表では、一部の「わかしお」「さざなみ」で255系が残存することが判明されています。
JR東日本千葉支社によると、これは特急列車の全車指定席化に絡むもの。座席の変更直後は、自由席を連結していると思い込んで乗車する利用者が多発すれば、E257系5両編成では座席が足りなくなる事態が想定されます。そのため、9両編成と座席数に余裕のある255系を活用することで、混乱を防ぐ狙いだといいます。現時点では、255系は6月末まで定期列車での運用が続くようです。