ベテラン機関車たちが引退 2024年に鉄路を去った車両たち
新型車両が続々登場した一方で、今年もさまざまな車両が引退しました。
JR九州では、「SL人吉」として運転を続けてきた蒸気機関車、8620形58654号機が、3月に運転を終了しました。1922年に落成した同機は、JR線で営業運転する車両としては最古の存在でしたが、落成から100年を超えて老朽化が著しいことや、部品調達の困難さ、メンテナンスを担う技術者の確保が難しくなっていることなどを理由に、JR九州は運転終了を決めました。引退した58654号機は、11月から人吉駅前で展示公開されています。
機関車といえば、JR東日本でも、高崎地区の電気機関車(EL)・ディーゼル機関車(DL)が、11月に営業運転を終了しました。かつては定期旅客列車や貨物列車、工事列車など、幅広く使われてきた機関車も、近年はその役目が減っていました。高崎地区では、EL・DL列車のほか、SL列車の補助機関車として使われてきましたが、車両の老朽化を理由に、11月に運転を終了しました。なお、SL列車は今後も運転を継続するとのことで、補助機関車の役目は、電気式ディーゼル車のGV-E197系が担う予定です。
特急型車両では、「やくも」で活躍していた381系が、先述した273系に置き換えられ、6月に定期運転を終了しました。1973年に運用を開始した381系は、国鉄初の実用振り子式車両として登場。カーブで車体を傾けることで遠心力を緩和でき、曲線通過速度の向上が可能となることから所要時間短縮を実現できるというもので、その後各社で導入された振り子式・車体傾斜式車両の先鞭をつけた車両となりました。なお、381系は定期運用こそ終了したものの、臨時運用は残されており、2024年度の年末年始期間は「やくも」2往復で一時的に復活する予定です。
このほか、大阪メトロの20系、舞浜リゾートラインのリゾートライナーType X、南阿蘇鉄道のMT-2000形・MT-3000形、静岡鉄道の1000形が、2024年に引退。JR東日本の255系、いすみ鉄道のキハ52形も定期運転を終了したほか、ひたちなか海浜鉄道のキハ205、ミキ300形、富士山麓電気鉄道の1000形も、2024年内の運転終了が発表されています。形式消滅ではありませんが、鶴見線用だったJR東日本の205系1100番台も、E131系1000番台に置き換えられ、運用を終了しました。