鉄道コム

事情さまざま、わずかな製造数で終わってしまった鉄道車両たち 東海・西日本編

2020年5月24日(日) 鉄道コムスタッフ

関西唯一、全ての椅子を折りたたんだ車両

利用客の増加が続く神戸線用の車両として、阪急電鉄が1995年に投入したのが、8200系です。

ラッシュ時専用車両となっている8200系(前2両)
ラッシュ時専用車両となっている8200系(前2両)

朝ラッシュ時の増結用車両として製造された8200系では、混雑の抜本的改善を目的に、車内の全座席が折り畳み可能な車両として製造されました。関東では山手線の車両などが採用していたロングシートの折り畳み座席ですが、関西での採用例は、車いすスペース部分を除くと、この8200系が唯一です。

また、乗降時間の短縮を目的に、客用ドアも従来車よりわずかに拡大されました。このため、8200系の基になった8000系と比較すると、ドア間の窓が3枚から2枚に減少しています。

このほか、一部のドア付近には、液晶ディスプレイを設置。「見えるラジオ」を用いたニュースの提供、広告の放映などを行いました。

1995年のダイヤ改正において、朝ラッシュ時の最混雑列車に投入され、威力を発揮した8200系ですが、その製造数は2両編成2本の計4両に留まりました。阪急では1997年にも2両編成の増結車を投入していますが、こちらは8200系ではなく8000系となっており、折り畳み座席やワイドドアも不採用となっています。

また、特徴の1つであった折り畳み座席は、2007年ごろに通常のロングシートへ改造。液晶ディスプレイについても、後に撤去されてしまいました。

当初は朝ラッシュ時に加えて夕方以降の運用にも就いていた8200系ですが、現在の運用は平日朝ラッシュ時のみ。7000系や8000系の2両編成増結車と共に、10両編成で運転される列車に投入されています。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。