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事情さまざま、わずかな製造数で終わってしまった鉄道車両たち 東海・西日本編

2020年5月24日(日) 鉄道コムスタッフ

「唯一」かつ「最後」の特徴を持つジェットカー

阪神電気鉄道が誇る高加速電車の「ジェットカー」は、同社が1995年に導入した5500系によって、新たな時代に突入しました。そして、この5500系の改良版として2010年に製造されたのが、5550系です。

阪神の普通車用車両「ジェットカー」の一つ、5550系
阪神の普通車用車両「ジェットカー」の一つ、5550系

1995年デビューの5500系では、ジェットカーでは初めてVVVFインバータ制御装置を採用。それまでのジェットカーより起動加速度を抑えた一方で、中高速域での加速性能を向上した車両となりました。

5550系でも同様にVVVFインバータ制御装置を採用していますが、モーターの出力向上により、神戸方の先頭車両をモーター非搭載車両とし、モーターつき(M車)、モーターなし(T車)の比率(MT比)を3:1に変更。それまで全車にモーターを搭載してきたジェットカーの伝統を、初めて破った車両として製造されました。

そんな5550系ですが、当時は置き換え対象車両が1編成のみだったため、5550系も4両編成1本のみの製造に。後に在来ジェットカーを置き換える際には、新型車両の5700系が導入されることとなりました。

2015年デビューの5700系。車体はステンレス製となっています
2015年デビューの5700系。車体はステンレス製となっています

なお、5700系のMT比は5550系と同じ3:1ですが、両先頭車ではそれぞれ片方の台車にモーターを搭載する方式を採ったため、再び5500系以前と同じ全電動車へと回帰しています。一方で、5700系では車体をステンレス製に変更。そのため、普通鋼製車体を採用したジェットカーは、5550系が最後となっています。

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