毎年恒例となっている春のJRグループダイヤ改正。2022年は3月12日(土)に実施されます。
今回のダイヤ改正では、新型コロナウイルスによる利用者減少の影響で、各社とも列車の削減傾向が目立ちます。また、2021年は新型車両デビューといった明るい話題がいくつかありましたが、2022年は明るい話題もわずか。車齢が若い車両の引退という、驚きのニュースも発表されています。
残念ながら暗い話題が目立つ2022年春のダイヤ改正。JRグループのほか、大きな変更点がある私鉄の改正概要をご紹介します。
キハ283系の定期運用が消滅
札幌~帯広~釧路間を結ぶ特急「おおぞら」で使用されてきたキハ283系は、3月12日のダイヤ改正をもって同列車での運転を終了します。
1997年にデビューしたキハ283系は、1994年にデビューしたキハ281系に続く、JR北海道では2番目の特急型気動車。キハ281系同様、曲線で車体を傾けることで乗り心地を改善する振り子式車両となっており、曲線通過速度を向上することで、大幅な所要時間短縮を実現しました。
「スーパーおおぞら(当時)」でデビューしたキハ283系は、合計63両が落成。同列車のほか、札幌~帯広間の「スーパーとかち(現:とかち)」、札幌~函館間の「スーパー北斗(現:北斗)」でも使用されました。
しかしながら2011年、石勝線の清風山信号場で、「スーパーおおぞら」で運用中のキハ283系が脱線炎上事故を起こしてしまいます。部品の脱落が原因でした。幸いにも死者は発生しませんでしたが、この事故以降JR北海道では重大事故や不祥事を相次いで起こしており、多くのバッシングの下で再発防止策が取られることとなります。
営業最高時速は130キロ、設計最高時速は145キロと俊足を誇ったキハ283系ですが、2013年11月以降は最高時速が110キロに制限されることに。キハ261系のように車体傾斜装置を撤去されることはなかったものの、牙を抜かれた状態となってしまいました。さらに、2020年3月のダイヤ改正よりキハ261系での置き換えが始まり、キハ283系の廃車が始まりました。
2022年3月をもって、約25年の活躍を終えるキハ283系。「北斗」で活躍するキハ281系よりも一足早い定期運用消滅となります。