駅舎が一つになる折尾駅
JR九州では、大きなダイヤ変更は9月に予定されている西九州新幹線開業にあわせて実施するためか、今回のダイヤ改正では比較的小規模な変更に留まります。そんな中で一番のトピックは、折尾駅の駅舎統合です。
折尾駅は、鹿児島本線と筑豊本線(福北ゆたか線・若松線)が交わる駅。もともとは立体交差駅で、鹿児島本線の下を筑豊本線がくぐる構造となっていました。これでは両線にまたがる列車が運行できないため、鹿児島本線黒崎方面と筑豊本線直方方面を結ぶ短絡線が設けられ、後にこの短絡線上にも福北ゆたか線用のホームが設置されました。しかしながら、この短絡線のホーム「鷹見口」は、本駅舎からは約150メートル離れており、利便性が良いとは言えませんでした。
そんな折尾駅は、駅周辺再開発とともに実施する高架化を機に、線路構造を改めることに。筑豊本線の線路を西側へと移設し、鹿児島本線のホームと同位置に接続させることで、鹿児島本線と福北ゆたか線の乗換利便性向上を図りました。
高架線には、2017年と2021年に鹿児島本線、2019年に筑豊本線の線路が移設され、そしていよいよ2022年3月12日、短絡線も高架線へと移設。これをもって、折尾駅の線路切換工事が終了します。その後も駅前広場などの整備が続けられ、2024年度に連続立体交差事業が完了する予定です。
なお、鹿児島本線福間方面と福北ゆたか線直方方面を乗り継ぐ場合、これまでは利便性向上のため、折尾駅から2駅先の黒崎駅まで乗車し、折り返すことができる特例が設けられていました。今回の線路切換によってホーム位置が統合されるため、この特例は廃止されることとなります。