北海道を駆けたディーゼル特急 引退車両と復活車両
JR北海道では、特急列車で活躍してきたキハ183系が、長年の活躍に終止符を打ちます。
キハ183系は、1980年にデビューした特急型気動車。それまで北海道で使用されていたキハ80系とは異なり、道内専用形式として開発されました。当初は、先頭車は485系などに似た高運転台の「スラントノーズ」でしたが、国鉄分割民営化を控えた1986年には、貫通型の車両が登場しました。
函館本線でキハ281系による「スーパー北斗」が運転を開始した1994年には、時速130キロ運転に対応した改造車両も登場。振り子式車両のキハ281系と同等とはいえませんが、それでも従来以上の性能を手に入れました。このほか、「北斗」に連結されたハイデッカーグリーン車や、「スーパーとかち」に連結された2階建て車両など、キハ183系バリエーションに富んだグループとなりました。
北海道全域で活躍してきたキハ183系も、2000年ごろになると、後継形式に置き換えられていきます。2018年には、「旭山動物園号」に使われていた編成を含む0番台が消滅。残った車両も、同年からは石北本線系統の「オホーツク」「大雪」のみの充当となっていました。
また、ダイヤ改正と同時ではありませんが、JR北海道では「ノースレインボーエクスプレス」もこの春に引退します。国鉄およびJR北海道では、道内各地のスキー場などのリゾート地に向けて走るリゾート列車として、さまざまな車両を投入してきました。リゾート列車の最後の生き残りであるノースレインボーエクスプレスは、見た目はハイデッカー車体が特徴的な独特の車両ですが、形式としてはキハ183系に属します。
キハ183系に代わり、「オホーツク」「大雪」に投入されるのは、キハ283系。新造した車両ではなく、かつては石勝線・根室本線系統の特急「おおぞら」で活躍していた車両です。2022年3月のダイヤ改正でキハ261系に置き換えられ、一旦運用を終えたキハ283系ですが、路線を移し、ふたたび都市間輸送の任に就くことになります。